ウヨクのつぶやき(旧観察台湾)

元々は台湾の政治、文化、芸能など、台湾ネタを扱っていましたが、今は気ままな浪漫派ウヨクの思いつきを書いています。たまに、台湾にも触れていきたいです。

台湾:帰宅後仕事先からLINE=残業

一日の仕事を終え、疲労困憊。晩酌で飲むビールのことなど考えながら、家路を急ぐ。駅の改札を出たその時!LINEの着信音、スマホを開いてみれば、上司から「大至急頼む云々」、がっくりと肩を落としため息を漏らす…。そんな経験がおありの方も多いはず。


退社後にLINEで仕事を振られたら、それは残業か?

台湾の中国時報より記事を二つご紹介。

 

その一

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〜退社後に上司からLINE、残業とみなす〜 

「鬱陶しい!上司がLINEしてきた、また仕事が増えた!」これは多くのサラリーマンに共通する心の声だ。通信ソフトが世に出て以来、サラリーマンは科学技術発展の「被害者」となってきた。しかし国民党所属の立法委員である盧秀燕は、「労基法」の修正を提案した。将来、もしLINEで追加の仕事を受け取ったら、残業代を取ることができるかもしれない。労働部部長の陳雄文が言うところによると、会合を開いて労使双方の意見を集約し、行政院版の修正案を提出するということだ。

 

超過勤務は残業代を支給されるべき

 

盧秀燕は昨日、立法院衛生環境委員会で次のように指摘した;「出勤はタイムカード制、退社は責任制」、これは長年にわたる問題であり、近来の通信ソフトの出現により、労働者は24時間命令を待っているような状態に陥ってしまった。彼女は次のように強調する;台湾の勤務時間は長すぎであり、もし退社後も通信ソフトを使って仕事を命じるような残業形態まで現れたら、「勤務時間は下手すると世界一になる。」

 

盧秀燕は次のようにも言う。法律は、退社後(命ぜられる仕事は)「いかなる形式であれ」残業と定めるべきだ。残業時間は上司に仕事を振られたとこから起算するか、あるいは労働者が仕事を始めた時点で起算すべきかは、政府に研究と規範設定を任せる。

 

そのため盧秀燕は「労基法」第32條修正草案を提出。労働契約に記載された毎日の正常勤務時間以外、勤務時間を「いかなる形式であれ」延長する場合は残業とみなすべきであり、残業代を支払うべきだ、と雇い主に対して要求した。「いかなる形式」には、LINE、WeChatなどを通じて課せられた仕事も含む。

 

国民党委員、「労基法」修正に連署

 

盧秀燕によると、昨日早朝、21名の立法委員が連署をしたことで、修正案提出の要件を満たした。しかし、さらに人数が50、60人に達してから正式に提出したいと考えている。盧秀燕事務所は昨夕、次のように述べた。昨日再提案の内容をすべての立法委員に連絡した、今朝連署した人数が出揃ったが、ニュースを見て事務所に電話をしてきた立法委員もおり、連署メンバーに加わりたいとのことだった。

 

労働部部長陳雄文は昨日、今までにLINEを使って部下と仕事の相談をしたことがあるかと尋ねられ、部下はよく仕事の相談をメッセージしてくるが、「既読スルー」していると答えた。

 

LINEで仕事を振られてからが残業か?はたまた、仕事を始めてから起算すべきか?陳雄文によると、目下「労基法」はいかなる形式で仕事を言いつけると残業になるかについて、全く制限がない、ただ、雇い主が残業代を払わない場合、労働者は現有の手段で訴えを起こすことができる。

 

労働部:訴えは決して多くない

 

陳雄文はまた次のように言う。現在まで訴訟の数は多くないが、再検討の必要があると考えている、訴訟案件を積み重ねた後、再び処理原則を作りたいと思っている。また、現在類似の規範を有する国もあり、後半に資料を集め、来月電信事業関係者の会議を開き、労使双方の意見集約を待って行政院版の草案を提出する。

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http://www.chinatimes.com/newspapers/20141002000364-260102

 

 

その二

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〜OL:ああ戻りたい…LINEの無い時代に〜

通信ソフトの登場以来、労働者は神経を尖らせ、ケータイを肌身離さず持ち歩き、上司から新しい仕事を言いつけられてはいないか確認する。やっと退社したかと思えば、上からメッセージが届く、LINEが鳴り止まない。やむなく作業するものの、「LINEの無い時代に戻りたい!」と労働者は叫ぶことになる。

 

ネット業界で働く一人の女性、張さんは次のように言う。通信ソフトはあまりに発達しすぎた、いついつでも上からLINEのメッセージが届く。彼女は本来、責任制の仕事をしている。朝早く会社でタイムカードを押し、通常ならば夜8時9時で仕事をして退社。帰宅後も上司からのメッセージを確認せねばならず、すぐさま返事をしなければ上司から次々とメッセージが送られてくる。直接電話をしてきて仕事を振られることもある。彼女はプレッシャーを感じている。

 

張さんは言う。過去には夜中の1時2時に上司からのLINEメッセージが来たこともあった。臨時で翌日の会議の資料を準備するように言ってきたのだ。そのためほぼ徹夜で眠ることが出来なかった、求められた仕事を提出するためだけに。仕事が終ってもすぐには寝られない。彼女は諦めたように言う、「2Gの携帯の時代が懐かしい」と。
男性サラリーマンの陳さんは言う。仕事終わりに友人と食事の約束があったが、上司は後から後からLINEして来る。即座に処理する仕事を言いつけてきたわけではないが、先の仕事の予定を次々に相談してくる。「食事は喉を通らず、消化不良になった。」彼はキッパリと言った、先の仕事の予定があるなら翌日出勤してから相談するか、直接電話で言ったらどうだ?

 

メディアの仕事は常に指示を待っているようなものだ。あるジャーナリストは、帰宅後もLINEをチェックしなければならない状況で煩わしく思わないかと問われ、次のように答えた。「俺に退社時間なんてあるのか?」

 

労働者の権利を守るため、国民党の立法委員盧秀燕は法律の修正を考えている。しかしある労働者は言う、立法が通ったところでなんだというのだ?誰も訴えはしないし、たとえ訴えたところでバレてしまい仕事を失うだけ、退社後にLINEをさせないなんて、それは上の良心次第だ。

 

上司からLINEで追加の仕事を要求される。部下は寝食もままならない。しかしある人は異なった見方をしている。ある立法院の職員は言う。夜中にメッセージを送ってきて、翌日の質疑や記者会見の準備をするように言われると、彼にとってこれは上司に認められたということであり、必要とされているのだと感じる。しかし年末には必ず、「いままで与えられた任務は全てこなしてきた」として給料アップを求める。彼は言う、出来高制で仕事をするわけではないが、給料アップは求める、「長い目で見るのさ。」

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http://www.chinatimes.com/newspapers/20141002000367-260102

 

 

きみはなぜ働くか。(日経ビジネス人文庫)

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